![]() 生物分子の生成方法及び装置
专利摘要:
生物分子、特に医薬等級のプラスミドDNAを生成するためのスケールアップ可能な方法及び装置が記載される。その方法はアルカリ溶解、中和及び清澄化の工程を含み、更に延長し得る。溶解産物及び沈殿を分離するために、改良された浮遊方法が開示される。この方法は沈殿フロックへのCO2泡の付着に基づいている。CO2が中和(酸性化)の間又はその後に炭酸塩から放出される。本発明の方法は溶解及び中和のための装置並びに完全に連続の清澄化(フロック及び清澄化された溶解産物の分離)のための新規装置を適用して自動化された連続方式で行なわれることが好ましい。 公开号:JP2011512127A 申请号:JP2010545477 申请日:2009-02-06 公开日:2011-04-21 发明作者:クリスティーネ アッシャー;ヨーヘン ウルタラー;ダニエル ブシェリ 申请人:ベーリンガー インゲルハイム エルツェーファウ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト; IPC主号:C12N15-00
专利说明:
[0001] 本発明は生物分子、特にプラスミドDNAのようなポリヌクレオチドを生成する分野に関する。特に、本発明はガス/空気注入を用いない気泡の生成により媒介される進歩した浮遊方法による穏やかな清澄化工程に関する。特に、本発明はアルカリ条件下の細胞溶解、続いて中和及びその後の細胞溶解産物の清澄化を含む工業規模の方法に適しており、全てのこれらの工程は完全に連続の方式で行なわれる。] 背景技術 [0002] 20世紀の最後の四半期及び21世紀の初めにおける分子生物学及び細胞生物学の進歩は組換え生物分子(バイオポリマー)の生成のための新しい技術をもたらした。このグループの巨大分子として、例えば、タンパク質、核酸及び多糖が挙げられる。それらはヒトの健康ケアー、疾患の診断薬、予防及び治療の領域にますます使用されている。 最近、最も革新的な進歩の幾つかが診断薬、遺伝子治療及び核酸ワクチンの分野でポリヌクレオチドでなされていた。診断効果、治療効果又は予防効果の目的で細胞へのDNA、特に染色体外のDNA、又はRNAの導入がこれらの適用に共通している。 ポリヌクレオチドの代表的な員はメッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)及びリボソームRNA(rRNA)、ゲノムDNA(gDNA)又は染色体DNA(cDNA)、並びにプラスミドDNA(pDNA)である。これらの巨大分子は一本鎖又は二本鎖であってもよい。 ポリヌクレオチドはそれらのサイズ及び形状に応じて、酵素分解(DNase及びRNase)及びせん断力に感受性である。特に、染色体DNAは、その変性され、からみ合った形態で、機械的応力に高度に感受性であり、pDNAと同様の性質を有するフラグメントを生じる。これはせん断力暴露の期間につれてますます重要になる(Ciccolini LAS, Shamlou PA, Titchener-Hooker N, Ward JM, Dunnill P (1998) Biotechnol Bioeng 60:768; Ciccolini LAS, Shamlou PA, Titchener-Hooker N (2002) Biotechnol Bioeng 77:796)。 プラスミド(pDNA)は二本鎖の染色体外の環状ポリヌクレオチドである。医薬プラスミドの殆どが3-10kbpのサイズ範囲であり、これは100nm以上の回転の半径を有する2x106−7x106の分子質量に相当する(Tyn M, Gusek T (1990) Biotech. Bioeng. 35:327)。或る場合には、20kpbより大きいポリシストロン/多価プラスミド(これらは幾つかの異なるタンパク質をコードする)が、報告されていた(Muller PP, Oumard A, Wirth D, Kroger A, Hauser H著Schleef M (2001)“遺伝子治療及びワクチン化のためのプラスミド”, Wiley-VCH, Weinheim, 119頁)。pDNAの異なるトポロジー形態は区別し得る。スーパーコイル(sc)形態又は共有結合閉環状(ccc)形態が治療適用のために最も安定と考えられ、それ故、所望の形態である。その他のトポロジーpDNA形態は一本鎖ニック(開環状又はoc)又は二本鎖ニック(線状)によりcccから誘導され、或いは複合から生じる。ストランドの切断は物理的、化学的又は酵素的活性により生じられる。治療上の使用について、ccc形態の%がpDNA製剤の品質を評価するための主なパラメーターである。] [0003] 遺伝子治療及び遺伝的ワクチン化の分野における臨床試験の増大する数がpDNAの潜在的な利点を反映する。こうして、cGMP規則に従って生成された医薬等級のpDNAの需要が絶えず増大することがまた観察される。予測は特にpDNAをベースとするワクチンによる市場供給について1年当り多くのグラム数又は更に数キログラムの精製pDNAが必要であろうと確証する。こうして、工業規模で行ない得る方法についての要望がある。これらの生産方法は規制要件(FDA、EMEA)を満足する必要があり、経済的に実現可能であるべきであり、しかも生産的かつじょうぶである必要がある。 従来、バイオテクノロジー的生産方法の大半は精製された組換えタンパク質の製造のために開発されていた。ポリヌクレオチドとタンパク質の間の物理化学的性質の相違のために、これらの方法はポリヌクレオチドの生産に容易には適し得ない。従来の実験規模のプロトコルに基づく生産方法を確立した製造業者らは生産性、スケールアップ可能性及び製品のコスト(COGS)に関する厳しい制限にますます直面している。こうして、ポリヌクレオチドに適用し得る方法、特に製造規模のpDNAの生産についての要望がある。 簡単に言えば、組換え生物分子(これらは宿主により分泌されない)、特にpDNA及び大きいタンパク質の生産方法は下記の工程に従う。 a)発酵(目的とする生物分子を有する細胞の培養及び必要により発酵ブロースからの細胞の回収)、 b) 細胞の崩壊(細胞からの目的とする生物分子の放出)、 c) 単離及び精製(不純物からの目的とする生物分子の分離)。] [0004] これらの工程は更に詳しくは以下に記載されるように、ポリヌクレオチドの生産、特にpDNAの生産について特徴づけられる。 現在、E.coliがpDNA生産に最も普通に使用される宿主である。その他のバクテリア、酵母、哺乳類及び昆虫の細胞がまた発酵工程における宿主細胞として使用されてもよい。好適な宿主株の選択、高い細胞密度の方法に適用される良く特定された培地及び高いプラスミドコピー数の管理がpDNA品質に大いに重要であり、かつ強い経済的方法に重要である(Werner RG, Urthaler J, Kollmann F, Huber H, Necina R, Konopitzky K (2002) Contract Services Europe, Pharm. Technol. Eur.の補遺34頁)。 発酵後に、細胞が、たいていは遠心分離により、通常回収される。回収された湿潤バイオマスが適当な緩衝液中で再懸濁される。不純物(宿主関連:例えば、タンパク質、gDNA、RNA及びエンドトキシン;生成物関連:例えば、望ましくないポリヌクレオチドイソ型;方法関連:例えば、発酵培地の残留化合物)からの目的とするポリヌクレオチドの最終の単離の前に、細胞が直接に、又は凍結そして解凍後に、プロセシングされる必要がある。更なるプロセシングの前に細胞を回収し、再懸濁させることとは別に、発酵ブロースそれ自体が更なるプロセシングにかけられてもよい(WO 97/29190)。] [0005] プロセシングは細胞の崩壊(ポリヌクレオチド放出)で始まり、目的とするポリヌクレオチドを含む清澄化された溶液の回収で終了する。目的とするポリヌクレオチドのその後の単離(例えば、カラムクロマトグラフィー、限外濾過、抽出又は沈殿による)の間に、それは不純物から分離される必要がある。細胞の崩壊は物理的方法、化学的方法又は酵素的方法により達成し得る。 通常、バクテリア細胞からの目的とするポリヌクレオチドの崩壊及び放出はBirnboim及びDoly(Birnboim HC, Doly J (1979) Nucl AcidsRes 7:1513)により記載されたようにアルカリ溶解により行なわれる。 そこに開示された崩壊/放出方法は二つの工程に分けられ、最初の工程は固有の細胞崩壊又は溶解工程であり、第二の工程は中和工程である。 アルカリ溶解中に、細胞が洗剤(好ましくはドデシル硫酸ナトリウム(SDS))と組み合わせてアルカリ溶液(好ましくはNaOH)に暴露される。この環境では、細胞壁構造が分解され、それにより目的とするポリヌクレオチド及びその他の細胞関連化合物を放出する。最後に、その溶液が酸性塩、好ましくは酢酸塩、特に酢酸カリウム(KAc)又は酢酸ナトリウム(NaAc)の溶液の添加により中和される。中和中に、細胞デブリ、タンパク質だけでなく、gDMAが毛状の沈殿の形成によりドデシル-スルフェートとともに共沈される(Levy Ms, Collins IJ, YimSSら(1999) Bioprocess Eng 20:7)。 アルカリ溶解及び中和に続く次の工程において、沈殿がプラスミド含有溶液から分離される必要がある。この工程が、本発明の意味において、“清澄化工程”と称される。 清澄化工程に関して、一定角度のローターによる遠心分離が実験規模及び前調製規模で使用される最も頻繁に使用される方法である(Ferreira GNM, Cabral JMS, PrazeresDMF(1999) Biotechnol Prog 15:725)。びん中で通常取り扱われる溶解産物の量について、一層透明な液相がしばらく後に浮遊フロック及び或る種の下降する(非浮遊)沈殿の大きい相から分離している。一層透明な液相のみが吸引され、濾過される。そうしないと、大きいフロック体積が使用されるフィルターを素早くふさぐであろう。] [0006] フロックが機械的応力のために分断されて、低下された浮遊傾向及び不十分な相分離を生じる場合に、濾過工程は一層透明な相中の増大された量のフロックのために更に一層妨げられる。一般に、浮遊するフロックの層は非常に緊密ではなく、それ故、下の一層透明な相の%は全容積(一層透明な相及びフロック相)の約50-70%である。フロック相中の液体は残留プラスミドDNAを含むので(Theodossiou I, Collins IC, Ward JM, Thomas ORT, Dunnhill P (1997) Bioproc Eng 16:175)、40%までの高い損失が考慮される必要がある(Urthaler J, Ascher C, Wohrer H, Necina R (2007) J Biotechnol 128:132)。更に、種々の濾材への(ポリ)ヌクレオチド、例えば、pDNAの強い吸着が考慮される必要がある(Theodossiou I, Collins IJ, Ward JM, Thomas ORT, Dunnhill P (1997) Bioprocess Eng 16:175; Theodossiou I, Thomas ORT, Dunnhill P (1999) Bioprocess Eng 20:147)。しばしば嵩高の濾材又はバッグフィルターが溶解産物の清澄化に使用される。これらの材料は保証されないか、又はスケールアップし得ないので、それらは製造規模の医薬等級のプラスミドの生産に適用し得ない。最近の技術は膨張床吸着(EBA)を利用し、これは沈殿した物質の除去を可能にするとともに所望の生成物を捕捉する(ChaseHA(1994) TrendsBiotechnol 12:296)。しかしながら、中和中に生成された、凝集されたフロックの大きい直径のために、EBAの前の前清澄化が必須であることが考慮される必要がある(Ferreira GNM, Cabral JMS, PrazeresDMF(2000) Bioseparation 9:1; Varley DL, Hitchkock AG, Weiss AMEら (1998) Bioseparation 8:209)。 幾つかの試みが上記工程の夫々について改良された技術を開発するためになされており、これらは可能な汚染のリスクを有する非連続開放システム中でしばしば操作される。そのプロセス工程が自動化されず、それ故、その結果がユーザー依存性である。それ故、使用される方法及び装置は製造規模の医薬等級のポリヌクレオチドの製造に適さない。このような方法について多量のpDNAを取り扱う唯一の方法は装置を多種多様にすることであり、例えば、それらを平行に運転することである。 目的とするポリヌクレオチドの更なる精製に鑑みて、樹脂による所望のポリヌクレオチドの結合を保証するために溶液のパラメーター(塩組成、導電率、pH値)を調節することがしばしば必要である(この工程は、本発明の意味において、“状態調節工程”と称される)。続いて、溶液が最初のクロマトグラフィー工程(捕捉工程)にかけられる。] [0007] 制限因子(これがおそらく最も解決し難い)は溶解産物の清澄化である。透明にされた溶解産物を得るために、沈殿した物質がポリヌクレオチド含有溶液から分離される必要がある。通常この清澄化工程は濾過又は遠心分離のような当業界で知られている技術を使用してバッチ方式で行なわれる(例えば、米国特許第2001/0034435号、WO 02/04027)。最も普通には、フィルターがデプスフィルターである(WO 00/09680)。マクロフィルトレーションのためのその他のフィルター装置は、例えば、圧縮ゲージ又は均等濾材からなるマクロ細孔隔膜である(EP 0376080)。或るプロトコルによれば、濾過がフィルター助剤の存在下で行なわれる(WO 95/21250、WO 02/057446、米国特許第2002/0012990号)。WO 96/21729は遠心分離工程後にケイソウ土を使用する濾過工程を含み、それによりRNA含量を減少する付加的な効果を得る方法を開示している。更に、ゆるいマトリックス(ガラス、シリカゲル、陰イオン交換樹脂又はケイソウ土)(これは同時にDNAのキャリヤーとして作用する)との膜フィルターの組み合わせがEP 0814156に記載されていた。WO 96/08500、WO 93/11218、EP 0616638及びEP 0875271によれば、清澄化が装置により達成され、その濾過部分はゆるい粒子、層又はフィルタープレート(特に非対称細孔サイズ分布を有する)の形態の異なる材料(例えば、ガラス、シリカゲル、酸化アルミニウム)からなってもよい。フィルター中のフラックスは重力、真空、圧力又は遠心分離により達成される。フロック及び溶解産物の分離を得るための別の選択肢がWO 2004/024283及びWO 2004/108260に記載されている。その中で、中和の前又はその間にその方法で使用される緩衝剤/溶液の一種がガスポートを介して導入されるガスの制御可能な流れと混合される。ガスの微細な分布がスパージストーン(これはその溶液/懸濁液と流体連通しており、或るサイズの小気泡を与える)により達成される。その小気泡が中和中に生成された沈殿に付着される。中和された溶解された細胞溶液がタンク中に集められ、或る時間(これはフロックの大半を浮遊させる(付着された気泡により媒介される))のに必要とされる)にわたって保持する。その後に下の溶解産物相がフィルターの組によりバッチ様式で濾過される。別のセットアップでは、溶解産物フロック混合物(ガス注入により、又はそれによらずに得られる)がタンク中に集められ、これはフロック/溶解産物相の上の減圧(真空)の適用を更に可能にするように設計される(WO 03/070942、WO 2004/108260)。真空がフロックの浮遊を改善し、それらを収集タンクの上部に誘導する。両方の方法が非連続方式で清澄化を行ない、清澄化のための追加の濾過工程を必要とする。連続清澄化方法としての遠心分離(例えば、ディスクスタック遠心分離機又はデカント遠心分離機)がWO 99/37750及びWO 96/02658に開示されている。また、遠心分離、続いて濾過の組み合わせが清澄化目的のために記載されている(WO 02/26966、WO 96/02658)。] [0008] 上記清澄化方法は物質が時間の或る期間にわたって中和緩衝液とともにインキュベートされた後に通常行なわれる。これは先の工程と後の工程との連続の連結を可能にせず、規模で制限される。これとは別に、濾過技術が可能な汚染のリスクでもって開放装置中でしばしば行なわれる。cGMP方法に使用される物質が許可される必要があるので、付加的なフィルター助剤が濾過方法の性能を改良するが、通常避けられる。当業界で知られている清澄化方法の更に別の不利はフロック及び溶解産物の長い接触時間(分離の前/その間)であり、これは不純物再溶解及び酵素分解のリスクを軽減するために避けられるべきである。 一般に、通常のフィルターは制限されたキャパシティを有し、多量のかさばったフロックによりやがてふさがれる。加えて、材料により保持される沈殿上の一定のフラックスがフロックの分解及び不純物の再溶解をもたらすことがあり、これが後の工程に再度悪影響を有するであろう。多量のpDNAについて、幾つかの装置を多種多様にする(例えば、それらを平行に運転する)ことが示唆されており、これは望ましくなく、製造規模に不利である。 或る種の遠心分離技術が(半)連続的に運転し得るが、せん断力に対するポリヌクレオチドの感受性のために、この処理はまたプラスミドDNA及びゲノムDNAの分解そしてまたフロックの破壊による沈殿した不純物の脱着を生じるかもしれない。] [0009] 状態調節工程が最終精製の前に適用される場合、塩組成及び/又は透明にされた溶解産物の導電率及び/又はpH値がその後の捕捉工程で樹脂への所望の分子の結合を確実にする前もって決められた値に調節されることが必要である。時折、状態調節工程が前精製の理由のために追加される(例えば、WO 00/09680 に記載されたようなエンドトキシンの除去)。 目的とするポリヌクレオチドの捕捉について、幾つかの技術、例えば、接線流濾過(WO 01/07599)、サイズ排除クロマトグラフィー(WO 96/21729、WO 98/11208)、陰イオン交換クロマトグラフィー(WO 00/09680、米国特許第6,410,274号、WO 99/16869)及び疎水性相互作用クロマトグラフィー(WO 02/04027)が当業界で公知である。 記載されたプロセス工程の殆どが非連続方式及び/又は非自動化方式で操作される。普通その操作工程は完全連続システムに連結されない。 EP 081456、WO 93/11218、EP 0616638及びEP 0875271に、方法が開示されており、これらの方法では、細胞溶解、中和、清澄化、洗浄、必要により状態調節及び捕捉が同じ装置中で行なわれる。これらの方法は幾つかの保持工程を含む非自動化/非連続方式で操作される開放システムである。装置は実験規模についてのみ好適であり、製造規模に転用し得ない。また、これらの技術はcGMP大規模生産について再現性及び適性を欠如している。 更に、異なる装置を利用する組み合わせが記載されており、この場合、個々の工程が連続方式で互に直接連結される(WO 96/02658、WO 00/09680、WO 02/26966、米国特許第2001/0034435号、WO 97/23601、WO 00/05358、WO 99/37750)。しかしこれらの方法のいずれもが再懸濁工程で始まり、捕捉工程で終わる系列内に三つより多い工程を組み合わせていない。これらの方法に使用される装置は均一な混合を保証しないし、又は不利なせん断力を溶質に適用するかもしれない。更に、適用される清澄化技術(濾過、遠心分離)が前記された幾つかの欠点により妨げられる。] [0010] 目的とするポリヌクレオチドの工業生産に適した自動化連続方式における三つより多い工程の組み合わせを可能にする方法及び装置がWO 2004/085643に、またUrthaler J、Ascher C、Wohrer H、Necina R (2007) (J Biotechnol 128:132)により開示されている。この方法によれば、宿主細胞により分泌されないポリヌクレオチドの単離が細胞崩壊工程としての改良されたアルカリ溶解方法、中和工程、清澄化工程、及び必要により状態調節工程及び/又は濃縮工程、続いて生物分子の精製を含む。その清澄化は中和中に得られた沈殿及び溶解産物を含む混合物を清澄化反応器(これはその下部で保持材料で部分的に充填されている)中で穏やかに分布させ、分離することにより行なわれる。沈殿が保持材料の上部及びその層内に保持される。透明にされた溶解産物が反応器の下部の出口により連続的に集められる。この方法及びこの装置はスケールアップ可能であり、連続方式で作動するが、清澄化装置のキャパシティが制限される。このセットアップ内でプロセシングし得るバイオマスの量を増大するために、清澄化タンクの容積が増大される必要があり、又は別の清澄化タンクが全フロック容積を集めるのに適用されなければならず、その結果として設備コストを増大する。また、その生産方法はフロックを清澄化反応器から除去するために中止される必要があり、それにより生産方法を遅延し、追加の作業努力を生じ、汚染のリスクを更に増大する。] 発明が解決しようとする課題 [0011] 本発明の目的は既知の方法の制限を解消する、目的とするポリヌクレオチドを細胞培養液から単離するための方法及び装置を提供することであった。このような方法及び装置はまた治療上適用し得るポリヌクレオチドの連続生産に好適であるべきである。こうして、このような方法はRNase及びリゾチームのような酵素の使用又はSDSとは別の洗剤の使用を必要とすべきではない。 更に、その方法及び装置はキログラムまでの多量のポリヌクレオチドの工業規模の生産に好適であるべきである。工業規模の生産方法についての前提条件は細胞溶解、中和及びその後の清澄化プロセスの完全に連続の性能である(図1を参照のこと)。] 図1 課題を解決するための手段 [0012] 本発明の基礎にある課題を解決するために、下記の工程が採用された。 WO 2004/085643に開示された方法及び装置に基づいて、幾つかの実験がWO 2004/085643に記載された清澄化工程の制限を解消するために行なわれた。WO 2004/085643に記載された方法及び装置はスケールアップ可能であり、連続方式で作動するが、清澄化装置のキャパシティが制限される。これらの実験はフロックの改良された浮遊及び同時にフロック及び溶解産物の完全に連続の分離に関するものであった。溶解産物-フロック混合物の通気の他に、緩衝剤の標準組成物への異なる添加剤が浮遊を改良するために試験された。 驚くことに、中和工程の前、その間又はその後の炭酸塩の添加が中和工程中に生成されるフロックの有意に改良された浮遊をもたらすことがわかった。増進された浮遊がそれにより化学反応により生成された小気泡により媒介される。固体塩としての、又は中性〜アルカリ性の水性液体に可溶化された炭酸塩が酸性溶液と接触する場合に、CO2が下記の反応式に従って炭酸塩から放出される。 CO32-+2H3O+→CO2↑+3H2O 本発明の一実施態様において、炭酸塩が別の緩衝剤/溶液に可溶化される。別の実施態様において、炭酸塩が再懸濁緩衝液又は溶解溶液に可溶化される。] [0013] また、炭酸塩が中和工程の前に生成された懸濁液に可溶化される(例えば、炭酸塩が再懸濁のために緩衝液に添加され、又は溶解溶液に添加される)。再懸濁緩衝液又は溶解溶液で可溶化される(中和前に可溶化される)炭酸塩(適用される場合)の濃度は約0.01〜1M、好ましくは0.02〜0.1Mの範囲である。CO2気泡の生成は溶解された細胞溶液が酸性中和溶液と接触される時に始まり、混合中に進行する。小気泡が同時に生成される沈殿(細胞デブリ、タンパク質及びゲノムDNAと共沈されたドデシル硫酸塩(カリウム)のフロック)に付着し、こうしてその後の浮遊を促進する。このプロセスがフロック及び溶解産物の優れた相分離をもたらす。これがこのプロセス工程の完全に連続の操作、フロック及び清澄化された溶解産物の速い分離及び沈殿した不純物とpDNA含有溶液の短い接触時間のための前提条件である。 驚くことに、これらの結果は所定の位置に入口を備えた簡単な容器がその容器の下部で(前)清澄化された溶解産物の連続の流出(収集)を可能にすることを明らかにした。フロック(最小の残留溶解産物を含む)が容器の上部で集められた。容器(これはまた本発明の主題である)は、フロースルー容器、好ましくはシリンダー又は管、特にガラスもしくはステンレス鋼管として成形された中空ボディである。管はまたプラスチック又はバイオ医薬生産に許されるあらゆるその他の材料からつくられてもよい。 集められたフロックは、例えば、残留フロック間の溶解産物の回収のために洗浄及び/又は排出により更にプロセシングされてもよい。遠心分離及び/又は濾過のような通常の方法の他に、好ましい実施態様において、WO 2004/085643に記載された清澄化装置がこれらの目的のために適用されてもよい。シリンダーの下部出口で集められた溶解産物が更にその後の精製工程によりプロセシングされる。 フロック洗浄工程及び排出工程から追加して回収された液体がシリンダーの下部で集められた溶解産物に添加されてもよい。別の実施態様において、シリンダーの上部で集められたフロックがこれらのフロックを中和された溶解された細胞溶液又は直接に分離シリンダー中の混合物に添加することにより再プロセシングされてもよい。] [0014] 中和中に生成される沈殿フロックの改良された連続の浮遊をもたらす連続の工業規模のアルカリ溶解プロセスにおける中和された溶解された細胞溶液との反応により発生される酸性条件下の炭酸塩(中和の前、その間又はその後に可溶化形態又は固体形態で添加される)からの連続CO2放出は新規である。更に、工業規模のフロック及び溶解産物の連続分離を可能にする装置とのこの新規技術の適用/組み合わせが新規である。WO 2004/085643に記載されたような自動化連続溶解及び中和との連続フロック分離のための新規CO2媒介浮遊及び新規装置の組み合わせは下記の格別の利点を与え、規模の制限を解決し、それ故、多量のプラスミドDNAの経済的生産に重要である。 −バイオマスからの清澄化された溶解産物の生成のための完全に連続かつ自動化された生産チェーン −完全に閉鎖されたCIPableシステム −装置サイズ及びコストの低減 −追加の装置又はプロセシングを用いない(例えば、空気注入を用いない)改良された浮遊 −簡単かつ複雑な調節及び管理要求のないこと −じょうぶかつ再現可能 −穏やか(沈殿不純物(及び沈殿に付着された不純物)の減少された再溶解をもたらすフロックへの低下された機械応力) −一層緊密なフロック層及びその結果として少ないpDNA含有フロック間の溶解産物による増大された収率 −沈殿した不純物(フロック)とpDNA含有液体(溶解産物)の最小の接触時間。] 図面の簡単な説明 [0015] アルカリ溶解、中和(同時/その後のCO2放出を含む)及び清澄化を含む組み合わされた連続の3工程方法のフローチャートを示す。 連続の状態調節工程(例えば、濃縮及び/又は高塩沈殿)により延長された、図1の組み合わされた連続の3工程方法のフローチャートを示す。 追加の捕捉工程により延長された、図2の組み合わされた連続方法のフローチャートを示す。 状態調節工程と捕捉工程の間にオンライン濾過工程を含む図3の組み合わされた連続方法のフローチャートを示す。 状態調節の前に濃縮工程により延長された図4の組み合わされた連続方法のフローチャートを示す。 清澄化方式“システムII”及び“システムIII”に適用可能な、アルカリ溶解反応器、中和反応器及びWO 2004/085643の(適合された)半連続清澄化装置の連続の組み合わせに関するスキームを示す。 清澄化方式“システムII”:改良された浮遊を含む新規方法(a)及び標準方法(b)(CO2放出を用いない)により得られた浮遊フロック(WO 2004/085643の適合されたパイロット規模の清澄化装置中)の比較。上の画像は完全なフロック層を示し、一方、下の画像はフロック層の拡大された部分を示す。 実験規模の通常の手動方法(CO2放出を用いない)により得られた基準溶解産物の分析HPLCクロマトグラムを示す。 清澄化方式“システムII”:溶解工程、中和工程(CO2放出を含む)及びWO 2004/085643の適合されたスケールアップされた装置中の半連続清澄化工程を含む本発明の連続方法により得られた溶解産物の分析HPLCクロマトグラムを示す。 溶解工程、中和工程(CO2放出を含む)及びWO 2004/085643の適合されたスケールアップされた装置中の半連続清澄化工程−清澄化方式“システムII”を含む本発明の連続方法により得られたpDNA含有溶解産物の最後の精製工程としてのSECプールの分析HPLCクロマトグラムを示す。] 図1 図2 図3 図4 [0016] 清澄化方式“システムII”:本発明の新規統合浮遊方法により得られた、WO 2004/085643の適合されたスケールアップされた清澄化装置中の浮遊フロックを示す。 清澄化方式“システムII”:回収プロセスの終了時におけるWO 2004/085643の適合されたスケールアップされた清澄化装置の上部でCIPボールを利用するフロック洗浄(本発明の新規方法により分離されたフロック)の操作を示す。 清澄化方式“システムI”:本発明の新規連続清澄化装置のスキーム−a)基礎セットアップ、b)基礎セットアップの好ましい任意の延長部分についての例を示す。 清澄化方式“システムI”:実験規模の開発セットアップを示す。 実験規模の通常の手動方法(CO2放出を用いない)により得られた基準溶解産物の分析HPLCクロマトグラムを示す。 清澄化方式“システムI”:溶解工程、中和工程(CO2放出を含む)及び実験規模の開発セットアップによる連続清澄化工程を含む本発明の連続方法により得られた溶解産物の分析HPLCクロマトグラムを示す。 溶解工程、中和工程(CO2放出を含む)及び実験規模の開発セットアップにおける連続清澄化工程(“システムI”)を含む本発明の連続方法により得られたpDNA含有溶解産物の最後の精製工程としてのSECプールの分析HPLCクロマトグラムを示す。 清澄化方式“システムI”:プロトタイプ実験規模のセットアップを示す。] [0017] 本発明はpDNAアルカリ溶解操作における中和中に生成される毛状沈殿の改良された浮遊の効果でもって、かつ特別に設計された装置中のこれらのフロックの連続分離を可能にするために酸性条件下の炭酸塩からのCO2の放出を使用する。それにより、それがフロック分離の前に行なわれる限り、どの緩衝液、溶液又は懸濁液に炭酸塩がそのプロセスに加えられるのか、又は何時加えられるのかは必須ではない。炭酸塩は中性もしくはアルカリ性の条件下で中和前に添加され、又はそれは酸性pHを有する既に中和され、フロックを含む溶解された細胞溶液に添加される。全ての場合に、CO2放出は炭酸塩を含む溶液もしくは懸濁液又は固体炭酸塩を中和された溶解された細胞溶液もしくは中和溶液と接触させることにより起こる。 アルカリ溶解を適用する生物分子(特にpDNA)のための生産方法の個々の工程が以下に記載される。工程a)〜c)及び工程e)は既知の方法に従って行なわれてもよい。 a)発酵/培養(及び必要により回収及び再懸濁): 本発明の方法において、特に目的とする生物分子がpDNAである場合に、E.coliが宿主として使用されることが好ましい。発酵は当業界で知られている方法に従ってバッチ方式、供給-バッチ方式又は連続方式で行なわれる。 回収はまた当業界で知られている方法に従って行なわれる。本発明の一実施態様において、連続運転される装置、例えば、管遠心分離機又はセパレーターが、細胞を培地から分離するのに使用される。細胞(バイオマス)が更なるプロセシングの前に凍結される場合、細胞が回収後に直接に、又は好適な緩衝液、典型的にはpH 8で0.05Mトリス、0.01MEDTAを含む緩衝液中の細胞の再懸濁後に凍結し得る。この場合、追加の再懸濁緩衝液はアルカリ溶解の前に添加されるべきではなく、又はそれは一層低い容積で必要とされる。本発明の好ましい実施態様において、再懸濁緩衝液が更に炭酸塩を含む。 本発明の別の実施態様において、細胞の回収及び再懸濁が省かれてもよい。この場合には、発酵ブロースが細胞及び培養上澄みの分離をしないで溶解工程b)で直接更にプロセシングし得る。] [0018] b)アルカリ溶解による崩壊 原則として、工程b)はそれ自体知られている方法、好ましくは穏やかであり、連続かつ自動化された方式で実施し得る方法に従って洗剤を含むアルカリ溶解溶液を使用して行ない得る。典型的な溶解溶液はNaOH(0.2M)及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS)(1%)(好ましい)からなるが、本発明の方法の場合に、毛状沈殿がそのプロセス中に生成される限り、一般にはまたその他のアルカリ溶液、洗剤及び濃度が使用し得る(例えば、WO 97/29190を参照のこと)。本発明の一実施態様において、溶解溶液が更に炭酸塩を含む。 工程a)の回収された細胞は直接プロセシングされ、又は前に凍結された場合(例えば、低温ペレット化を含む)には解凍される。回収された細胞が固有の細胞崩壊工程b)の前にa)に記載されたような再懸濁緩衝液中で再懸濁されることが両方の操作に共通である。] [0019] また、工程a)で得られた発酵ブロースは細胞の回収及び再懸濁をしないで直接更にプロセシングされる。この場合、細胞が発酵槽中でアルカリ溶解(そして必要によりその後の中和)を直接行なうことにより、又は発酵ブロースを溶解反応器に移すことにより崩壊されてもよい。再懸濁を用いないこの実施態様において、炭酸塩が中性もしくはアルカリ性の発酵ブロース、溶解溶液又は中和された溶解された細胞溶液に添加されてCO2放出の浮遊改良効果を得てもよい(工程c)を参照のこと)。 工程b)はWO 2004/085643に記載された方法及び装置の原理を使用して達成されることが好ましい。 以下に、工程b)における細胞崩壊に関して、“細胞懸濁液”という用語は回収後の再懸濁された細胞及び発酵ブロースの両方について使用される。] [0020] c)中和/沈殿/CO2放出: 典型的には、酸性pH及び高い塩濃度を有する緩衝液が中和に使用される。この溶液はpH5.5で3Mの酢酸カリウム(KAc)を含むことが好ましい。しかしまた、その他の中和塩、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム又はリン酸カリウムが使用又は添加されてもよい。 また、この工程は、原則として、それ自体知られている方法、好ましくは穏やかであり、かつ連続かつ自動化された方式で実施し得る方法に従って行なわれてもよい。 中和工程c)の一実施態様において、溶解された細胞溶液が連続の、好ましくは自動化された方式で中和溶液と混合される。これは溶解された細胞溶液と中和溶液を、流量の一定の比(=一定の混合比)で合わせ(例えば、Tコネクター又はYコネクターにより)、混合を確実にし、それによりその後の混合部分におけるその溶液の中和/沈殿を充分に確実にすることにより達成し得る。 本発明の一実施態様において、炭酸塩が中和前に添加される場合、CO2放出が中和/沈殿と同時に起こる。 工程c)はWO 2004/085643に開示された方法及び装置の原理を使用して行なわれることが好ましい。 溶解された細胞溶液が中和溶液と一旦接触させられると、その混合物のpHが酸性に低下し、フロックの生成が開始する。炭酸塩が中和前に添加されていた場合、CO2放出及びフロック生成が酸性化のために同時に開始する。次いで溶解された細胞溶液及び中和溶液が混合部分(例えば、WO 2004/085643に記載されたような管系中)で更に混合され、同時に好ましくはポンプ又は加圧ガスにより清澄化装置に輸送される。] [0021] 別の実施態様において、水性“浮遊溶液”が適用される。本発明において、“浮遊溶液”という用語は炭酸塩水溶液を意味する。この浮遊溶液はそれが炭酸塩を含み、その他のプロセス溶液のいずれかに添加されるという点でその他のプロセス溶液とは異なる(“プロセス溶液”という用語はアルカリ溶解、中和そして必要により再懸濁を行なうのに使用されるあらゆる液体を表す)。この浮遊溶液が中和工程の前にプロセス溶液の一種又はそのプロセスで生成された懸濁液の一種と混合されてもよい。また、浮遊溶液が中和された溶解された細胞溶液と混合されてもよい。浮遊溶液中の炭酸塩の濃度は0.01M〜1M、好ましくは0.025〜1Mの範囲である。浮遊溶液の混合比はそれにより2:1−1:50である。低容積の高濃縮炭酸塩溶液が適用されることが好ましい。浮遊溶液が連続的に適用される場合、その混合比が流量の比(浮遊溶液:プロセス懸濁液)により調節される。 工程c)で“浮遊溶液”を使用する本発明のこの実施態様において、中和された溶解された細胞溶液が連続の、好ましくは自動化された様式で浮遊溶液と混合されてもよい。これは流量の一定の比(=一定の混合比;例えば、Tコネクター又はYコネクターによる)で中和された溶解された細胞溶液(毛状沈殿を含む)と“浮遊溶液”を合わせ、充分に混合を確実にし、それによりその後の清澄化装置への反応混合物の輸送中のCO2放出を確実にすることにより達成される。この実施態様において、“浮遊溶液”が溶解された細胞溶液及び中和溶液の出会う位置と清澄化装置の間のいずれかの位置、好ましくはその距離の最初の半分以内の位置で中和された溶解された細胞溶液と合わされてもよい。] [0022] 同時(中和/沈殿と同時)又はその後の(“浮遊溶液を使用する)CO2放出とは独立に、生成された小気泡がフロック-沈殿に付着され、それによりその後の清澄化中の溶解産物及びフロックの相分離を改良する。得られる溶解産物-フロック混合物(付着されたCO2泡を含む)中の計算された理論炭酸塩濃度は約0.003〜0.35M、好ましくは約0.005〜0.05Mの範囲であるべきである。低濃度はわずかなCO2放出をもたらし、一方、あまりにも高い濃度は不利な発泡をもたらすであろう。 CO2放出を好ましい実施態様の一つにより達成するために、WO 2004/085643に記載されたような中和装置が使用されることが好ましい。この装置は管壁におけるフロックのせん断を避けるために約3-200mm、好ましくは8mmより大きい内径(そのプロセスの規模に応じて)の管である。流れの配向はあらゆる方向、好ましくは上向き(らせんの形態)であってもよい。30cmから数メートルまでの混合距離が溶液の穏やか、かつ完全な混合を可能にし、こうして細胞由来不純物を沈殿させ、CO2放出を可能にする。混合距離、管の内径だけでなく、混合装置中の保持時間が混合の品質ひいては沈殿の生成及びCO2放出に影響する。 非連続方式の工程d)を含む別の実施態様において、炭酸塩が清澄化装置中に集められた中和された溶解された細胞溶液に“浮遊溶液”又は固体の塩として添加される。その清澄化装置はWO 2004/085643に記載されたように設計されることが好ましい。この実施態様において、“浮遊溶液”は清澄化装置の下部に配置された保持材料により清澄化装置の全直径にわたる浮遊溶液の均一な分布を支持するために下部出口から添加されることが好ましい。固体炭酸塩添加による実施態様について、固体塩が上部にある追加の入口から添加され、均一な混合が清澄化装置の下部に更に設置されたミキサーにより達成されてもよい。中和された溶解された細胞溶液中の均一なCO2放出を充分に与える“浮遊溶液”又は固体炭酸塩の添加のためのあらゆるその他の位置又は混合方法が本発明の方法の改良された穏やかな沈殿浮遊を行なうのに可能である。 全ての実施態様において、“浮遊溶液”(中和溶液の添加後に添加される)が使用される場合、その混合比(中和された溶解された細胞溶液の容積当りの添加される“浮遊溶液”の容積)が一方では沈殿の完全かつ緊密な浮遊に充分なCO2放出を与え、他方では溶解産物のあまりにも強い希釈を避けるように選ばれることが好ましい。] [0023] d) 分離/清澄化(そして必要により洗浄) 工業規模の方法における炭酸塩からのCO2放出によるアルカリ溶解プロセス中の中和中に生成される沈殿の増進された浮遊の方法の有利な適用のために、清澄化(毛状沈殿の分離)のための方法及び装置が重要である。 本発明の方法の有利な適用のための三つの清澄化方式が可能である。 I. 連続 II. 半連続 III. 非連続(バッチ) 第一の清澄化方式はそれ自体新規であり、かつ本発明の重要な部分である装置を利用する方法に従って行なわれるが、清澄化の第二の方式及び第三の方式はWO 2004/085643に既に開示された清澄化装置及び方法に一部基づく。 連続システム(I)において、CO2放出が通常清澄化装置への中和された溶解された細胞溶液の流入の前に起こる。それにもかかわらず、以下に記載される清澄化装置の出口より上の浮遊溶液の添加による清澄化装置(工程c)に記載されたような)中のCO2放出がまた可能である。完全連続システムにおいて、フロック及び溶解産物が清澄化装置中で連続的に分離される。溶解産物が下部出口で回収されてもよく、フロックが清澄化装置の上部にある出口を通って回収されてもよい。本発明の方法の利点は、フロック及び溶解産物の連続ひいては速い分離のために接触時間が最小にされ、それにより分解及び不純物の導入のリスクを最小にすることであり、これが集められた溶解産物の高pDNA品質をもたらす。] [0024] 新規清澄化装置はガラス、ステンレス鋼、プラスチック又は医薬製造に許されるあらゆるその他の材料からつくられてもよい。清澄化装置の基本的セットアップが図13aに示される。清澄化装置はまた図13bに示されるように、延長し得る。清澄化装置の主要部分の形状は円筒形であってもよいが、原則として夫々のその他の中空ボディが適用し得る。本発明の方法における工程d)は反応器の形状とは独立である。 清澄化装置は下部に出口6そして上部に別の出口9を有し、これらは下部で前清澄化された溶解産物を連続的に回収し、上部で浮遊沈殿フロックを連続的に除去するように設計されることが有利である。出口は清澄化装置の上部及び下部に断面で中央に配置されることが好ましいが、下部及び上部のあらゆるその他の位置が可能である。更に、清澄化装置は下部と上部出口の間の位置、好ましくはこの距離の中間にポート15を含む。出口及び入口1は弁2,5,8を備えていることが好ましく、これらは別々に開閉し得る。本発明の意味において、弁は開閉導管に適したあらゆる装置(好ましくは膜弁)である。 新規清澄化装置は完全連続方式で運転し得るので、そのサイズは半連続清澄化又はバッチ清澄化のための装置と較べて減少されてもよい。主として円筒形に基づく例によれば、10-1500kg、好ましくは50-750kgのバイオマスをプロセシングする、工業規模の生産に典型的な寸法は、直径が20-100cmであり、かつ長さが50-300cmであり、好ましくは直径が30-80cmであり、かつ長さが100-250cmである。直径対長さの比は1:1〜1:10、好ましくは1:2〜1:5の範囲であるべきである。装置の長さを増大すると、浮遊フロックの一層良好な分離及び排出をもたらすかもしれない。] [0025] 清澄化装置は管(その中で、中和/沈殿そして好ましくはCO2放出が起こる)と連結されたポート15を備えている。このポートそれ自体が清澄化装置の入口であってもよく、中和/沈殿管と直接連結されている。別に、そのポートが分配管3(それ自体が中和/沈殿管と連結されている)と連結されている。ポートが入口である実施態様において、この入口は清澄化装置の横のジャケット中の簡単な穴であり、清澄化装置に突出する更なる部分を含まない。その他の実施態様において、好ましくは除去可能な分配管(必要により医薬製造に適した硬質材料、例えば、ステンレス鋼からつくられてもよい)が清澄化装置に延びる。管は必要により清澄化装置の中間で終端してもよい。その端部は開いている。 両方の実施態様において、ポート(第一の実施態様におけるポート又は延長管の端部を連結する)が下部と上部出口の間の高さ、好ましくはこの距離の中間で前記されたように配置される。ポート/入口は中和管16と較べて同じ又は大きい直径のものであってもよい。第二の実施態様において、ポートが清澄化装置のあらゆる位置に配置されてもよい。分配管はそれが中和された溶解された細胞溶液の上向きの流れを可能にし、かつそれが好ましくは清澄化装置の中間で終端するように配向されることが好ましい。 中和された溶解された細胞溶液(付着された気泡を有するフロックを既に含む)が、ポート15又は分配管3を介して清澄化装置に入る(1)時に、直ちに相が分離する。付着された気泡のために、フロックの密度(体積当りの質量)がCO2放出を用いない方法と較べて有意に減少される。それ故、フロック7が清澄化装置中の多少透明な液体(溶解産物)への界面で浮遊し始める。清澄化装置中の液体レベルが入口より上である場合、気泡-沈殿複合体7が上部出口へと上向きの方向で押しやられる。 清澄化工程の開始時に、清澄化装置は空である。清澄化装置が中和された溶解された細胞溶液で充填されるまで、下部出口/弁5/6が閉じられる。付着された気泡のために、フロックの密度(体積当りの質量)がCO2放出を用いない方法と較べて有意に減少される。それ故、フロック7が装置の上部に蓄積し、また多少透明な液体溶解産物がその装置の下部に蓄積する。 また、清澄化装置が、通常溶解産物と同様の成分を含む緩衝液とともに、液体で既に充填されている。そのプロセスを開始すると、下部出口/弁5/6が開けられ、流出物がそのプロセス中に清澄化装置中の界面溶解産物-フロックの一定のレベルを維持するように調節される。界面溶解産物-フロックの一定のレベルは下部弁の開放程度により制御され、これは必要により自動化されてもよい。下部における時間当たりの流出容積は時間当たりの供給容積(入口)よりも低い。それ故、追加の容積が上部出口8/9を介して清澄化装置から出る必要がある。界面溶解産物-フロックが上部出口より下であるので、主としてフロック(間に最小の残留液体を含む)がそのプロセス中に上部出口中に押しやられる。そのプロセスの終了のために、供給が入口弁を閉じることにより停止され、溶解産物の上部で浮遊する残留フロックが下部出口5/6に達するまで残留溶解産物が下部出口5/6により回収される。] [0026] そのプロセスの終了のための別の選択肢は最初に下部出口5/6を閉じ、全ての残留フロックが上部出口8/9を介してその装置から押し出されるまで、必要により溶解産物と同様の成分を含む緩衝液とともに、清澄化装置に供給し続けることである。次いでその装置中に存在する透明な溶解産物が上記のように下部出口5/6を介して簡単に回収される(上部出口8/9及び入口1/2が閉じられ、上部にある別のベント弁10が開けられる)。 そのプロセスの終了のための二つの選択肢はまた以下の方法で組み合わせ得る。最初に溶解産物が選択肢1に従って回収され、第二にフロックが選択肢2に従って上部出口を介して清澄化装置から押し出される。 CO2が清澄化装置中で放出される別の実施態様(工程c)に記載されたような)において、“浮遊溶液”が中和された溶解された細胞溶液について上記されたものと同様に設計された、追加のポート/入口を介して清澄化装置中の溶解産物-フロック混合物に連続的に添加される。必要によりこのポート/入口は清澄化装置と連結され、又はその装置に達する端部で一層良好な流れ分布のための手段(例えば、孔あきプレート又はフリット)を備えていてもよい。この入口は下部出口と中和された溶解された細胞溶液のための入口の間に配置される必要がある。 新規清澄化装置の下部はそのプロセスを停止した後に完全な溶解産物回収(完全な排出)及び洗浄溶液の完全な除去を保証するために必要によりわずかに円錐形であってもよい。この下部は下部出口の上の残留非浮遊フロックを保持するのに適した固定具4を備えていてもよい。除去可能な固定具のために、清澄化装置の下部が残存装置から脱着可能である。固定具は孔あきプレート、篩、ネット、フリット又は溶解産物について透過性のあらゆるその他の設備もしくは材料であってもよい。これらの固定具の材料は全清澄化システムについてステンレス鋼、ガラス、ポリプロピレン又は医薬製造に適したあらゆるその他の材料であってもよい。特別な実施態様において、固定具がWO 2004/085643中の清澄化反応器について記載された保持層と同様又は同じ部分を含む保持層である。] [0027] 更に、デプスフィルターが最小量の非浮遊フロックの望ましくない漏出に関する安全性を確実にするために記載された清澄化装置の下部出口ラインに設置されてもよい。また、回収された溶解産物が微細清澄化のためにWO 2004/085643に記載された清澄化反応器に供給されてもよい。 新規清澄化装置の上部は上部出口弁8及び医薬製造に適したあらゆる材料からなるその弁の隣りに続く出口管の内径と同様の内径に対し、必要によりテーパー付き、好ましくは円錐テーパー付きであってもよい。清澄化装置の上部(その結果として上部の弁及びその後の管)の上のテーパー付き端部の内径は管壁におけるフロックのせん断を避けるために約3-200mm(そのプロセスの規模に応じて)の範囲であり、好ましくは8mmよりも大きい。清澄化装置の上部のテーパー角は10°-80°、好ましくは25°-65°の範囲である。テーパーは上部出口にボトルネックを生じ、これが浮遊フロック7の増進された排出を与え、輸出されるフロック中の溶解産物の損失を減少する。清澄化装置のこのテーパー付き上部が必要により脱着可能であってもよい(例えば、別の洗浄のために)。 別の実施態様において、フロック及び溶解産物の分離のための追加のユニット(図13b)が、好ましくは真っ直ぐなラインで、清澄化装置の上部出口/弁8/9に連結される。この追加のユニットは清澄化装置(円筒形の主要部分)の上部と同様の形状を特徴とする。この追加のユニットの長さは主清澄化装置と較べて短くてもよく、例えば、その主装置の長さの約1/3であってもよい。この追加のユニットの入口11は同じ内径で主清澄化装置の上部出口9に連結される。この入口11の隣りで、追加のユニットの直径が増大される(例えば、主清澄化装置と同様の内径に対して)。好ましい実施態様において、追加のユニットの入口11はこのユニットの最低位置ではない。この別の実施態様において、この追加のユニットの下部が全下部領域にわたって、又は或る位置で入口からジャケットへと傾斜している。弁12を備えた出口13が下部の最低部分に配置されてもよい。前排出されたフロックがその入口11の隣りのこの追加のユニットの拡大された部分に入る時に、更なる相分離プロセスが起こる。フロックが再度その追加の装置の上部に浮遊(7)している間に、フロック間に既に捕捉された残留溶解産物が一層低い領域で蓄積し、弁12(これは最小フロックが溶解産物と一緒に輸出されるように必要により自動的、周期的又は連続的に開けられる)により出口13で回収し得る。この追加のユニットの上部は出口14、弁8及び別のベント弁10を備えた主清澄化装置の上部と同様に設計され、必要により第二の出口を含んでもよい。単一上部出口14を備えた実施態様において、フロックが主清澄化装置について記載されたのと同じように輸出される。二つの上部出口を備えた実施態様において、出口の一つが溶解産物回収の別の位置に相当する、除去可能なフリット又は連結されたフィルターを備えている。第二の上部出口の弁がそのプロセス中に閉じられる(この追加のユニットの下部出口が閉じられると推定される)時に、溶解産物がその他の上部出口により輸出され、その間にフロックがフリット又はフィルターにより保持される。] [0028] このユニットで更に回収された溶解産物は主清澄化装置の出口6で回収された清澄化された溶解産物又は主清澄化装置中の一層低い溶解産物相に適当な管により添加されてもよい。 主清澄化装置は一つより多い上記追加ユニットで拡大されてもよい(カスケードのように)。 更に別の実施態様において、追加の清澄化ユニットは主清澄化装置の上部出口に連結されてもよい。この追加のユニットは別の管に入れられる管(管中の管)からなる。内部管は主清澄化装置の上部出口に連結され、この出口と同様又は小さいが最小でも8mmの内径を有する。外部管はその全長にわたって内部管を囲み、主清澄化装置への内部管の連結の隣りに出口(必要により弁を備えていてもよい)を有する。外部管は、例えば、好適なガスケットにより両端で内部管に固定される。この管中の管組み合わせの方向は主清澄化装置の出口から上向きに(わずかに)傾斜される。その長さは30cmから3mまでの範囲、好ましくは0.5-2mの範囲である。この内部管はジャケットの半径方向の下半分でその全長にわたって孔あきにされ、好ましくはフロックの通過を回避するサイズの(丸い)穴(直径0.5-3mm)を有する。主清澄化装置の出口を通って輸出されるフロックが内部管中に押しやられる。付着された気泡のために、フロックが主として管の半径方向に上の部分で輸出され、その間に残留溶解産物がパーホレーションによりその内部管から出ることができ、外部管中で集められ、外部管出口で回収される。それにより、フロックが更に排出され、溶解産物回収が増大される。このユニットで更に回収された溶解産物は主清澄化装置の出口で回収された清澄化された溶解産物又は主清澄化装置中の一層低い溶解産物相に適当な管により添加されてもよい。] [0029] 更に別の実施態様において、新規清澄化装置の上部は機械スキマーを備えていてもよく、これは清澄化装置の上部出口で出るフロックを連続的にかす除きする。この実施態様において、上部出口が更なるプロセシングのためにかす除きされたフロックの収集を可能にするスキミング上部を備えている。 更に別の実施態様において、フロックが上部出口で簡単にオーバーフローでき、上部出口に半径方向に取り付けられた収集リング中に集められる。上部出口をオーバーフローすることにより、フロックが孔あきスクリーン(下記の排出された溶解産物を集めるためのリングを含む)の上を流れ、その後に収集リングに落下することにより排出され、洗浄されてもよい。収集リングの下部は傾斜していることが好ましく、収集されたフロックを排出された(“乾燥”)沈殿を収集するタンクに自動的に誘導する。 更に別の実施態様において、浮遊フロックが主清澄化装置の上部出口でポンプにより吸引されて除かれてもよい。] [0030] 上記された夫々の追加の清澄化ユニットは別のものと組み合わされてもよい。分離されたフロックは必要により更にプロセシング(例えば、残留排出、洗浄)されてもよい。残留排出は当業界で知られている方法、例えば、濾過(好ましくはデプス濾過)、フィルタープレスの適用、遠心分離又は均等手段に従って達成されてもよい。フロック洗浄工程と組み合わせ得る有利な穏やかな排出方法がWO 2004/085643に記載されており、下部中の保持材料とともに穏やかなディストリビュータを含む特別に設計された清澄化反応器を利用する。そこに記載された方法及び装置が輸出されたフロックをWO 2004/085643の清澄化反応器に適用し、そこに記載された排出及び洗浄操作を行なうことにより本発明と容易に組み合わせ得る。 洗浄溶液/緩衝液について、フロックを再溶解しない組成が選ばれる。洗浄はまた出るフロックの流れ及び洗浄溶液/緩衝液を合わせ、それを中和管と同様の装置中で混合/接触させることにより行なわれてもよい(WO 2004/085643)。必要により、フロックはまたセパレートタンク中で洗浄されてもよい(バッチ方式又は供給-バッチ方式)。 本発明の別の実施態様において、フロックが新規清澄化装置中で循環されてもよい。それ故、清澄化装置の上部出口で輸出された浮遊フロックの一部が好適な管及び供給溶液の入口付近の別の入口を介して清澄化装置に逆に輸送される(例えば、ポンプにより)。この実施態様について、追加の浮遊溶液を新規清澄化装置中に供給することが有利である。記載された実施態様における全ての弁が膜弁であることが好ましいが、また、例えば、ボール弁、ゲート弁又はライン/パイプ及び/又は容器を開閉するのに適したその他のあらゆるものであってもよい。実施態様に記載された弁の幾つかがまた本発明の基本的/原理特徴に影響しないで省かれてもよい(例えば、上部出口弁)。] [0031] 半連続システム(II)において、CO2放出は清澄化装置への中和された溶解された細胞溶液の流入の前に通常起こる。それにもかかわらず、記載された清澄化装置の出口より上の浮遊溶液の添加による清澄化装置中のCO2放出(工程c)で述べられたような)がまた実施可能である。 半連続方式における本発明の方法の適用について、WO 2004/085643に開示されたような清澄化反応器が清澄化装置として使用されることが好ましい。中和された溶解された細胞溶液(沈殿を含む)が上部入口及びWO 2004/085643に記載された原ディストリビュータ又は適合された特別設計されたディストリビュータを介して適用されてもよい。 別の実施態様において、入口が保持材料の上にある清澄化反応器のあらゆる位置であってもよい。酸性化による炭酸塩からのCO2放出に基づく本発明の方法による改良された浮遊のために、そのプロセス中の保持材料の閉塞のリスクが有意に減少される。それ故、保持層の厚さ及び組成、例えば、層の数の減少又は保持材料の粉末度/多孔度の変化が適合されてもよい。例によれば、コースガラスビーズのみが下部フリットの上で使用されてもよい。 本発明の方法の半連続方式の別の実施態様において、最小(例えば、単一使用フリット)の保持材料のみがWO 2004/085643の清澄化反応器中で利用され、又は保持材料が利用されない。更に、デプスフィルターが最小量の非浮遊フロックの望ましくない漏出に関する安全性を確実にするために清澄化反応器の下部出口ラインに設置されてもよい。 半連続プロセスは清澄化反応器が(浮遊)フロックで完全に充填される時に終了する。清澄化反応器中のフロックはWO 2004/085643に記載された方法に従って洗浄され、排出されてもよい。 WO 2004/085643に記載された清澄化反応器は本発明の方法を半連続方式で行なうのに有益かつ好ましいが、溶解産物の(半)連続的回収のための入口及び下部出口を含むあらゆるその他の中空ボディがこの目的に好適である。 当業界で知られているその他の半連続清澄化方法と比較される半連続清澄化方式の利点はその増大されたキャパシティである。沈殿フロックに付着されたCO2泡による改良された浮遊のために、浮遊フロックの層が一層緊密であり、フロック間の少ない溶解産物を捕捉する。それ故、一層多いバイオマスが清澄化装置中のフロックの蓄積のために所定の容積でプロセシングし得る。分離された溶解産物相の回収はフロック内に捕捉された溶解産物の回収よりも極めて容易である。] [0032] 上記された半連続清澄化のためのシステム/方法はまた非連続(バッチ)方式で適用/実施されてもよい。 非連続(バッチ)システム(III)において、全ての中和された溶解された細胞溶液が清澄化装置に充填されて、若干の空間を浮遊溶液の添加のために残した後に、CO2放出がその装置中で起こる。CO2放出は清澄化装置の出口の上の浮遊溶液の添加により清澄化層地中で直接行なわれる(工程c)で述べられたように)。この非連続システムは清澄化装置の容量のキャパシティにより制限される。清澄化装置が中和された溶解された細胞溶液(フロック沈殿を含む)で一旦殆ど完全に充填されると、CO2媒介浮遊が開始される。下部出口は浮遊が終了されるまで閉じられる。その後に溶解産物が半連続システムについて記載されたのと同様の方法で回収される。清澄化装置は、好ましくはWO 2004/085643に記載されたような清澄化反応器(可能な半連続システムについて上記されたような同様の適合/変化)に従って、半連続システムについて示された例と同様に設計されてもよい。必要により、フロックの排出及び洗浄が半連続システムについて記載されたように行なわれてもよい。 上記されたシステムのいずれか一つにより回収された得られる溶解産物は光学上きれいであり、更に直接プロセシングされ、例えば、通常クロマトグラフィー技術により捕捉され、又は追加の簡単な微細清澄化、例えば、濾過により更に精製される。] [0033] e) 精製 本発明の工程a)〜d)後のプロセスはその後の工程(例えば、連続又は非連続の濃縮、状態調節、濾過、クロマトグラフィー)における目的とする生物分子の単離(捕捉)及び精製を促進する。 上記された清澄化システムの一つを利用する改良された浮遊による本発明の方法はせん断力に感受性である生物分子、好ましくはポリヌクレオチド、特にプラスミドDNA、及び大きいタンパク質、例えば、抗体に適しているが、これらに限定されない。 本発明の方法は目的とするあらゆる生物分子について使用し得る。タンパク質の生成について、それは目的とするタンパク質の特別な要望が満足されるように設計されてもよい。本発明の方法は発酵方法及びタンパク質の起源(例えば、バクテリア、酵母)とは独立である。 細胞崩壊及びその後のプロセシング工程に適した特別な方法の選択は発酵後の細胞中のタンパク質の状態により強く影響される。 タンパク質が過剰発現される場合、それは所謂“封入体”の形態で存在してもよい。この場合、例えば、溶解中の還元剤(例えば、ジチオスレイトール、DTT)と組み合わせて強アルカリによる処理がタンパク質(これは、この段階では、変性された形態である)の再可溶化をもたらす。タンパク質の自然構造を再生するために、再折り畳みが中和反応器中又は溶解反応器と同様の第二反応器中で、CO2放出と同時の、中和(例えば、リン酸の添加による)により達成し得る。不溶性成分が清澄化装置中でタンパク質含有溶液から分離される。 目的とするタンパク質が細胞中で可溶性である場合、細胞が上記と同様の様式で溶解反応器中で崩壊される。 溶解反応器中で、条件(接触時間、溶解溶液の濃度)はタンパク質が可溶性に留まるような方法で選ばれてもよく、又は、パラメーターがタンパク質を特別に変性し、沈殿させるように設定される。最初の場合には、溶液が中和反応器(これは、構造に関して、溶解反応器又はポリヌクレオチドに使用された中和反応器と同様である)及び可溶化封入体について記載されたような清澄化装置中で更にプロセシングされる。タンパク質がその変性状態である場合、沈殿が既に溶解反応器中で、又はその後に中和反応器(CO2放出と同時の中和剤及び/又は沈殿剤の添加による)中で行ない得る。両方の場合、沈殿に関する条件は目的とするタンパク質を特別に沈殿させるように選ばれることが好ましい(一方、例えば、RNA、エンドトキシン、及びDNAのような望ましくない不純物は可溶性に留まる)。沈殿は続いて清澄化装置中で溶液から分離される。その後、沈殿は清澄化装置から除去され(本発明の連続システム(I)について記載されたように連続的に、又は、例えば、吸引又は適当な緩衝液によるフラッシングアウトにより)、又はこの装置中で直接に更にプロセシングされる。それがその装置から除去された後に、沈殿(目的とするタンパク質)が好適な緩衝液(これはケースバイケース基準で実験により決められる)を使用してセパレート容器中で再可溶化される。沈殿が清澄化装置中に残る場合、再可溶化がそこで行なわれる(好適な緩衝液の添加そして必要により混合による)。沈殿(特に目的とするタンパク質)が再可溶化されるとすぐに、それが下部中の出口を通って清澄化装置から容易に除去し得る。] [0034] 得られるタンパク質溶液を更にプロセシングすることに関する選択肢がタンパク質の生成における本発明の方法の全ての変化に共通である。付加的な再折り畳み工程の他に、ポリヌクレオチド溶液のプロセシングについて記載されたのと同じ工程(連続又は非連続の濃縮、状態調節、濾過、捕捉)が行なわれてもよい。 本発明の方法は治療生物分子の生成についての全ての規制要件を満足する。ポリヌクレオチドに適用される場合、本発明の方法は−発酵工程が高品質原料を得るように最適化されたことを条件として−高比率のccc形態のプラスミドDNA並びに低比率の不純物(例えば、タンパク質、RNA、染色体DNA、エンドトキシン)を生じる。その方法はRNase及びリゾチームのような酵素の使用を必要としないし、また溶解工程b)以外の洗剤の使用を必要としない。清澄化前の溶解産物と毛状沈殿の接触時間が有意に減少される。更に、その方法がガス(外部の源からの)を供給しないで行なわれる。 本発明の方法は多量のポリヌクレオチド含有細胞をプロセシングするのにスケールアップでき、それは典型的には1キログラム以上の湿潤細胞をプロセシングするために“工業規模”で操作されてもよく、臨床試験だけでなく、市場供給のための要望を満足する目的とするポリヌクレオチド0.1gから数100g〜数kgまでの量を生じる。 その方法の適用可能性は目的とする生物分子のサイズ、配列又は機能に関して制限又は限定されない。目的とするポリヌクレオチドは0.1kbから約100kb以上までの範囲のサイズを有するDNA分子又はRNA分子であってもよい。目的とするポリヌクレオチドは好ましくは1〜20kbpのサイズ(制限されない)を有する環状DNA、即ち、プラスミドDNAであることが好ましい。 本発明の方法及び装置は目的とする生物分子が得られるべきである細胞起源に関して制限されない。 その方法は容易に実施でき、自動化及び所望の規模に関して融通性である。流れ及び反応時間の調節が定常流及び機械的応力の低い影響を確実にする市販のポンプ及び加圧システムにより達成し得る。 本発明の別の利点は装置が衛生的、脱発熱原的であり、適所の洗浄(CIP)及び適所のスチーム処理(SIP)を可能にすることである。] [0035] その方法及びそこで使用される装置は密閉システムで制御可能かつ一貫した性能を与え、清澄化後に得られた連続生成された溶解産物の直接の更なるプロセシングを可能にし、例えば、それをクロマトグラフィーカラムに装填し、又はカラム装填の前に溶解産物のオンライン状態調節及び/又は濾過を可能にする(図2-4)。清澄化後に、状態調節又はクロマトグラフィーカラムへの装填の前に中間の濃縮工程があってもよい(図5)。 本発明の方法において、工程a)がバッチ式又は連続方式で行なわれるかどうかにかかわらず、夫々のその後の工程は連続かつ自動化された方式で行なわれてもよい。工程b)〜e)から選ばれた少なくとも二つの工程の組み合わせが、個々の工程を連結して連続的に行なわれることが好ましい。 溶解工程b)が自動化された/連続の工程である場合、それは細胞懸濁液が得られた方法(バッチ式又は連続操作、発酵ブロースの直接の使用又は回収及び、必要により凍結後の、再懸濁)とは独立である。それはまた溶解産物が得られた宿主とは独立である。 中和工程c)が自動化された/連続の工程である場合、その適用はプロセシングされたアルカリ溶解された細胞溶液が調製された方法(例えば、バッチ式又は連続的)とは独立である。好ましい実施態様において、中和工程後のコレクタータンクがWO 2004/085643に記載された清澄化反応器と同じ方法で設計される(清澄化がバッチ式又は半連続的に行なわれる場合)。 清澄化工程d)が自動化された/連続の工程である場合、その適用はフロックを含むプロセシングされた中和された溶解された細胞溶液が調製された方法(例えば、バッチ式又は連続的)とは独立である。それはまたそれが清澄化プロセスの前(又はその間)である限り、本発明の方法のCO2放出が起こる時及び場所(清澄化装置の前又は清澄化装置中)とは独立である。更に、それは得られる清澄化された溶解産物が更にプロセシングされる方法とは独立である。] 図5 [0036] 好ましい実施態様において、清澄化装置の流出物がコネクター、例えば、TコネクターもしくはYコネクターにより、又は混合装置中で直接に次のプロセシング工程に必要な溶液(状態調節溶液)の流れと合わされる。その2種の溶液は通常のポンプにより或る流量でポンプ輸送されてもよい。 別の実施態様において、第二溶液の流量のみが清澄化装置を出る溶解産物の流量に調節される。この目的のための混合装置は自動化された溶解工程について記載されたもののようなビーズで充填された装置又は中和工程について記載されたもの(WO 2004/085643)のような管システムであってもよい。最初のクロマトグラフィー工程のための溶解産物の状態調節が必要である場合に、このようなセットアップが使用されてもよい。例えば、硫酸アンモニウムの溶液(又は単に水)がこの方法で添加し得る。 別の実施態様において、その方法はまた中間の濃縮工程を含む(図5)。清澄化装置を出る十分な容積の溶解産物が存在するとすぐに、溶解産物が状態調節及び/又はクロマトグラフィーカラムへの装填の前に、例えば、限外濾過により濃縮される。濃縮は1回以上の通過で行なわれてもよく、それ自体が連続方式又はバッチ方式で行なわれる。1回のみの通過が行なわれる場合、レテンテート(例えば、pDNAを含む)が続いて直接状態調節されてもよく、又はクロマトグラフィーカラムに装填されてもよい。数回の通過の場合、所望の最終容積/濃度に達するまで、レテンテートが循環され、続いて更にプロセシングされる。この濃縮工程について、通常の装置、例えば、カセット又は中空繊維の形態の膜が使用し得る。好適な膜のカットオフはプロセシングされた生物分子のサイズに依存する。pDNAについて、通常10〜300kDaのカットオフを有する膜が使用される。 好ましい実施態様において、溶解反応器及び中和反応器が組み合わされて2工程の自動化された/連続のシステムを形成する。この場合、溶解反応器の流出物が自動化された/連続の中和工程について記載された様式(WO 2004/085643)で中和溶液の流れと連結され、混合される。これにより、ポンプ輸送される中和溶液の流量が溶解反応器の流出物の流量に調節される。] 図5 [0037] 別の好ましい実施態様において、中和反応器及び清澄化装置が組み合わされて2工程の自動化された/連続のシステムを形成する。この場合、中和反応器の流出物が本発明の自動化された/連続の清澄化装置と連結される。この場合、清澄化装置の下部出口弁(そして必要により上部出口弁)の開放の程度は、浮遊フロックと透明な溶解産物の界面のレベル(清澄化装置中の界面高さ)が一定に保たれるように調節される必要がある。これは界面レベルを一体化フローター(これはフロックではなく、液体の上で浮遊する)により測定することにより達成されてもよい。別の選択肢は清澄化装置の下部出口における流れを測定することであり、これは実験的に特定されたパラメーター(分配係数)に基づく特別なアルゴリズムによる界面の理論的レベルの計算に使用し得る。下部流出物は供給流の50%以上であるかもしれない。また、光バリヤーのようなその他のシステムが適用可能である。一般に、界面を認識するのに適した夫々のシステムが使用し得る。出口弁への電気接続により、流出物がフロック-溶解産物界面レベル又は出口流に従って段階的又は非段階的に調節し得る。] [0038] 別の実施態様において、溶解工程及び清澄化工程が中間の特有の中和工程なしに二つの装置を直接連結することにより連結される。中和はこの場合には非連続/半連続のシステム(システムII及びIII)の清澄化装置中で行なわれてもよい。この実施態様において、中和及び清澄化が、それ故、非連続的に行なわれる。非連続清澄化装置の出口が最初に閉じられ、溶解された細胞溶液が或る容積の中和溶液と合わされる。中和溶液が清澄化装置中に存在してもよい。溶解された細胞の全溶液が清澄化装置中で集められた後に中和溶液が添加される場合、これが非連続/半連続の清澄化装置中で下部入口を介して行なわれることが好ましい。両方の場合、溶解された細胞溶液との混合が撹拌機で(徐々に)撹拌し、又は空気をその装置の下部の入口もしくは液体レベルの下の追加の入口を通って導入することにより増進されてもよい。清澄化装置との溶解工程の直接の連結によるこの実施態様において、CO2放出が清澄化装置中で起こる。それにより、炭酸塩が溶解された細胞溶液の成分であり、又は中和の前もしくは後に更に添加されることが好ましい[固体塩又は“浮遊溶液”(これは非連続/半連続の清澄化装置(システムII及びIII)の下部出口を通って添加されることが好ましいであろう)として]。中和/浮遊の終了時に、非連続の清澄化がWO 2004/085643に記載されたのと同じ様式で行なわれる。 更に一層好ましい実施態様において、全システムが連続システムで少なくとも工程b)〜d)の全て及び必要により、更に、工程a)及び/又はe)を使用することにより充分に自動化される。この実施態様において、溶解反応器の流出物が中和装置と直接連結され、中和装置の流出物が清澄化装置と直接連結される。この実施態様において、CO2放出による改良された清澄化のための完全連続システム(I)又は半連続システム(II)が適用されるであろう。個々の連結及び装置に関する設計は上記されたのと同じである。 最も好ましい実施態様において、充分に自動化されたシステムが任意の自動化された(かつ連続の)状態調節工程(及び装置)に連結される。この実施態様は清澄化装置から出る清澄化された溶解産物と状態調節溶液(例えば、硫酸アンモニウム溶液)との連続混合を可能にする。上記のように、このような状態調節工程はその後の(クロマトグラフィー)精製工程(例えば、疎水性相互作用クロマトグラフィー)のためにポリヌクレオチド含有溶解産物を調製するのに必要であるかもしれない。 このような状態調節工程の追加は連続の4工程システムへの自動化され、かつ連続の3工程システムの延長をもたらす。この実施態様において、状態調節溶液は装置(これは溶解反応器と同じ型のものであることが好ましい)を使用して清澄化された溶解産物と連続的に混合し得る。この装置はせん断力に感受性であるポリヌクレオチドを含む溶液の連続混合に最も穏やかであるとわかった。更にまた、その他の装置(例えば、中和工程について記載されたような)、例えば、通常のスタチックミキサーがこの目的に利用し得る。状態調節溶液をポンプ輸送するポンプの流量は流れ測定ユニットを設置することにより清澄化装置の流出物の流量に調節し得る。ポンプはこのユニットと連結でき、こうして調節されて、2種の混合された溶液の流量の比を一定に保つ。] [0039] 状態調節工程と捕捉工程の間に、オンライン濾過工程が挿入されてもよい。 本発明の更に別の実施態様において、限外濾過工程が追加される。自動化された3工程システムのこのような延長により、その方法は連続の4工程システムに相当する。この実施態様において、先の工程の得られる溶解産物が限外濾過により濃縮される。透過物が捨てられ、一方、レテンテートが状態調節工程及び/又は装填工程(これは一つ又は二つの追加の工程による連続システムの延長を意味する)により直接に更にプロセシングされ、又は所望の最終濃度/容積に達するまで循環される。後者の場合、濃縮が終了された後に、得られる濃厚物が更にプロセシング(状態調節及び/又は装填)される。 別の実施態様において、清澄化装置から流出する溶解産物がクロマトグラフィーカラムに直接装填されてもよく、又はそれは濃縮及び/又は状態調節(その後のオンライン濾過を用い、又は用いないで)後にカラムに装填されてもよい。 自動化された改良された(CO2放出)清澄化工程を利用する全ての記載された実施態様において、得られた透明にされた溶解産物が好適なタンク中に集められてもよく、又は直接に更にプロセシングされてもよい(例えば、清澄化装置の流出物を別の装置、例えば、クロマトグラフィーカラムに連結することにより)。濃縮及び/又は状態調節工程がこの自動化された方法に使用される場合、濃縮され、かつ/又は状態調節された溶解産物が好適なタンク中に集められ、又は直接に更にプロセシングし得る。 本発明の方法及び装置は溶液をポンプ輸送するのに使用されるポンプとは独立である。特別な実施態様において、幾つかの懸濁液及び溶液の流れがポンプに代えて加圧容器中の空気圧により得られる。 本発明の方法及び装置は医薬等級のpDNAのcGMP(現行の良好な製造慣例)生産に適している。その方法はpDNAのあらゆる起源、例えば、あらゆるバクテリアの細胞起源に適合し得る。特にそのシステムの性質のために、本発明の方法は大容積の速いプロセシングを可能にし、これは細胞溶解産物をプロセシングするのに大いに重要である。溶解産物は種々のpDNA分解物質、例えば、DNaseを含むので、プロセス時間が高い生成物品質及び収率の鍵である。この状況において、本発明の方法により可能にされた、清澄化前の毛状沈殿と溶解産物の短い接触時間が特に重要な利点である。 本発明の方法及び装置はヒト及び動物における使用、例えば、ワクチン投与及び遺伝子治療適用のためのpDNAの生産に適している。その高い生産性のために、その方法は前臨床物質及び臨床物質の生産だけでなく、認可製品の市場供給のために使用し得る。 本発明の方法及び装置はアルカリ溶解、中和及び清澄化並びに上記されたような相当する工程及び連結された工程の完全に連続の実施を可能にするので、本発明の方法及び装置は完全にスケールアップ可能である(4000Lまで、又は更にそれ以上の発酵から得られたバイオマスのプロセシングを可能にする)。] [0040] pDNA含有E. coli細胞の生産 pDNA含有E. coliバイオマスをWO 2004/085643又はWO 2005/097990に従って生産した。] [0041] アルカリ溶解プロセスにおける中和中の炭酸塩からのCO2放出による改良された浮遊の原理適用可能性の証明 最初の実験を緩衝液のみ(バイオマスを含まない)で行なった。異なる炭酸塩(例えば、K2CO3及びNaHCO3、これらが有利である。何とならば、CO32-の対イオンとしてのK+及びNa+が溶解又は中和に使用される緩衝液/溶液中に既に存在するからである)を0.5Mの濃度で再懸濁緩衝液又は溶解溶液に添加した。緩衝液中の溶解性を一方で調べ、他方で中和中のCO2放出の強さ及びフロック(中和中に生成された)の浮遊に関する結果を調べた。 0.5M NaHCO3がバイオマスの再懸濁に通常使用される緩衝液(pH8で0.05M Tris及び0.01MEDTAを含む)に良く可溶化でき、沈殿したSDSの浮遊フォームを生成する中和溶液と混合することにより酸性にされた場合に広範なCO2放出をもたらすことが観察された。 この実験をバイオマス5g(これらは再懸濁緩衝液50mL中で再懸濁されていた)で繰り返した。強すぎる発泡(最初の実験で観察されたような)を避けるために、再懸濁緩衝液に添加されるNaHCO3の濃度を0.1Mに低下した。再懸濁されたバイオマスを溶解溶液(0.2M NaOH、1%SDS)50mLと穏やかに混合し、2分間接触させ、その後に中和溶液(3M KAc)で中和した。このセットアップは適度な(広範すぎない)CO2放出及び付着されたCO2泡による沈殿-フロックの同時に増進された浮遊に関して良く作用した。浮遊フロックの下の溶解産物を分析し(HPLC)、CO2放出を含まない通常の操作により得られた溶解産物と比較した。 CO2放出で得られた溶解産物中のpDNA濃度(収率)は基準溶解産物の約70%であった。pDNA等質性は両方の場合に80%より大きかった。浮遊フロックの層はCO2放出による実験で(CO2放出を含まない実験と較べて)極めて緊密であり、これは工業規模の清澄化に重要な利点を有する。 この初期の実験はpDNA生産のためのアルカリ溶解操作の中和工程中に生成される沈殿フロックの改良された浮遊のための炭酸塩に基づくCO2放出の原理適用可能性を示した。] [0042] 炭酸塩濃度(再懸濁緩衝液中)の最適化 夫々、再懸濁緩衝液(P1)中の異なるNaHCO3濃度(0M=基準、0.05M、0.07M、0.1M及び0.2M)及びバイオマス1.1gを使用して、これらの実験を実施例2に記載されたように行なった。中和後、溶解産物を含むフロックを3分間保持し、その後に遠心分離(7500rpmにおける実験遠心分離)により清澄化した。溶解産物(遠心分離後、上澄みとして回収された)を濃度(収率)及びpDNA等質性(HPLC)に関して分析した。ペレットを洗浄し、また洗浄フラクションを同じ様式で分析した。更に、溶解産物溶液(P2)との得られる混合物のpHに関するNaHCO3の添加の影響を研究した。実験を4回反復で行なった。結果を表1に要約する。 表1:実施例3の結果(4回反復の平均)] [0043] ] [0044] 再懸濁緩衝液が0.05M NaHCO3を含んだ場合に、最適の収率を得た。高濃度の炭酸塩を使用した場合に、収率が減少し、0.2Mについてかなり低下した。pDNA等質性は比較的安定であり、重大に影響されないように見える。高NaHCO3濃度における低収率は再懸濁緩衝液と溶解溶液の混合物の得られる低いpHにより主として生じられる。pHは細胞崩壊の程度/完全性に重要であるので、炭酸塩のpH低下効果が高濃度について考慮される必要がある。ここに記載された実施例において、臨界pHが12.5である。それ故、高NaHCO3濃度は溶解溶液中のNaOH濃度又は再懸濁されたバイオマスの容積当りのその適用された容積を変えないで適用されるべきではない。 全ての分析された洗浄フラクションが同様のpDNA濃度及び等質性を示した。] [0045] 中和中の炭酸塩からのCO2放出並びに連続のアルカリ溶解、中和(CO2放出)及び半連続の清澄化(“システムII”)を利用する方法における改良された浮遊 半連続の清澄化(システムII)を適用するWO 2004/085643に記載された実験/パイロット規模のシステムの原理を使用して、この実験を行なった。当初の清澄化反応器と較べて、ディストリビュータが本発明の方法による改良された浮遊/CO2放出による方法に適していた。清澄化反応器の下部(保持材料の上)に達するスロットを有する管に代えて、開いた端部を有し、パーホレーションを有しない管を使用した(図6)。付着された気泡による改良された浮遊効果のために、フロックが下の溶解産物相を通ってフロック/液体界面へと上向きに直ちに浮遊した。それ故、清澄化反応器に入るフロックが初期に使用されたディストリビュータのパーホレーションを通って出ることにより既に存在するフロック層(プロセス中に変化するレベル)に直接分配されることは必要ではなかった。更に、中空らせんが全体のフロック層/反応器直径にわたって均等なフロック洗浄溶液の分布(そのプロセスの終了時における)を可能にするためにビルトインされた。] 図6 [0046] バイオマス100gを用いて実験を2回行なった。第一の実験(改良された浮遊)において、0.05M NaHCO3を再懸濁緩衝液に添加した。第二の実験において、WO 2004/085643に記載されたような標準パラメーター及び当初の清澄化反応器セットアップを使用した。流量(混合に影響し、溶解における接触時間及び中和装置を特定する)及びその他の操作パラメーターは両方の実験について同様であった。両方の実験において、流量を全ての3種の溶液/懸濁液(再懸濁されたバイオマス、溶解溶液、中和溶液)について20mL/分に調節し、夫々、溶解及び中和について約1.5分の接触時間に相当する。 改良された浮遊によるセットアップにより得られた溶解産物を、それを中空繊維限外濾過により濃縮し、それを4M硫酸アンモニウム溶液と混合することによるその後の疎水性の相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程における結合のために状態調節すること及び濾過(HIC装填)により、更にプロセシングした。 基準サンプルとして、湿潤バイオマス1gに等しい再懸濁された細胞のアリコート(炭酸塩を含まない)を通常の実験規模の操作に従って小さい管中で溶解し、中和し、清澄化を遠心分離(12.000g)により行なった。このサンプルを使用してここに記載された改良された浮遊による実験/パイロット規模のプロセスの収率を計算し、等質性(円滑さ及び品質の基準)を比較した。全てのサンプルをHPLCにより分析した(濃度、等質性、およその純度)。結果を表2に要約する。 表2:基準と較べて改良された浮遊による連続の溶解/中和/清澄化(システムII)の結果] [0047] ] [0048] *HIC装填(全ての先の工程、特に溶解を含む)までの合計収率 結果は改良された連続方法(システムII清澄化)により得られた溶解産物の等質性が基準に匹敵することを示す。収率及び純度(HIC装填まで)は浮遊を含まない連続方法で得られたものに匹敵する。その後のHIC工程が予想されたように作用した(改良された浮遊を用いないで得られた溶解産物による標準システムに匹敵する)。 図7(a及びb)中で、CO2放出を用い、また用いない方法により得られたフロックの浮遊(WO 2004/085643の清澄化反応器中)を比較する。 CO2放出による方法はCO2を用いない方法(b1)及びb2)に拡大)と較べて極めて緊密なフロック層(a1)及びa2)に拡大)をもたらしたことが明らかである。これはフロック清澄化のために大いに重要であり、それは半連続の清澄化反応器のキャパシティひいては収率に関して有益であり、かつそれは完全に連続の清澄化システムの前提条件である。] [0049] 本発明の方法(改良された浮遊による;清澄化方式システムII)及びその後の精製による溶解産物の生産 バイオマス100gを実施例4に記載されたように崩壊し、CO2放出及び改良された浮遊を含む本発明の方法を適用した。集められた溶解産物(3050mL)を中空繊維限外濾過により600mLに濃縮した。次の工程で、濃縮された溶解産物を4M硫酸アンモニウム原液と混合し、続いて濾過によりそれを状態調節した。状態調節された溶解産物のアリコート(575mL)を適当な寸法のHICカラムに装填し、減少する塩勾配で溶離した。HICプールを陰イオン交換クロマトグラフィー(AEC)及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により更に精製し、最後に0.22μmのフィルターにより濾過した(薬物物質)。結果を表3及び4に要約する。 基準溶解産物を実施例4に記載されたように調製した。 表3:基準と較べて改良された浮遊及びその後の精製工程による連続の溶解/中和/清澄化(システムII)の生成物(pDNA)特異性結果] [0050] ] [0051] 表4:薬物物質中の不純物分析の結果] [0052] ] [0053] 結果はpDNA等質性が中和中のCO2放出のための炭酸塩の添加により悪影響されないことを示す。また全ての(その後の)精製工程を含む全収率はほぼ50%(溶解/中和/清澄化がWO 2004/085643に記載されたCO2増進浮遊を含まない常套方法に従って行なわれる場合に、得られる全収率の上端)で非常に良好であり、炭酸塩の添加が精製に悪影響しないことを示し、これはまた薬物物質中の低い不純物含量(常套方法に従って調製された薬物物質について得られた結果に匹敵する)により確かめられる。 同様の結果が完全に連続の清澄化システム(システムI)を模試する適当な実験で得られた。この実験において、浮遊フロックをポンプで吸引して除くことによりそれらを連続的に除去した。] [0054] 本発明の方法のシステムII(又はIII)としての適用のためのWO 2004/085643のスケールアップされた清澄化システムのセットアップ及び本発明の方法のためのその利用 そのスケールアップされた清澄化システムの原理構成がWO 2004/085643に既に記載されていた。改良された浮遊を含む本発明の方法の適用のために、二つの主な部分を再設計した。一方で、スロット付きのディストリビュータに代えて、非孔あき管[これは清澄化反応器の下部(保持材料の上)に達する(上部、横から)]を使用した。他方で、上部から洗浄(そのプロセスの終了時における)を行なうための追加の洗浄装置を設置した(下部からの洗浄をWO 2004/085643に記載されたように行なった)。この装置はCIPing(適所のクリーニング)に使用される回転ボールであり、これを使用してフロックにわたって均等に洗浄溶液を分配した。フロックの分解及び不純物の可能な再溶解を避けるために、洗浄溶液の流量をそれによりCIP方式におけるその使用と較べて減少した。 付着されたCO2泡により増進されたフロック浮遊を含む新規な改良された清澄化方法のスケールアップ可能性を示すために、WO 2004/085643の適合されたスケールアップされたシステムを使用して清澄化された溶解産物を調製して湿潤バイオマス1.25kgをプロセシングした。既に凍結されたバイオマスの再懸濁(再懸濁液13.5Lをもたらす)、及びそのシステムの脱気後に、溶解、中和及び清澄化を実施例4及び5に記載されたような方法により行なった。ポンプを0.75L/分に調節し、溶解及び中和反応器中の約1.5分の接触/混合時間を得た。得られるフロック/溶解産物混合物を清澄化反応器中で分離し、そこでフロックの大半が付着されたCO2泡により媒介されて浮遊しており、緊密な上部フロック層を構築した。最初の排出工程後のそのプロセスの終了時に、清澄化反応器の下部中の保持材料(0.42-0.84mm及び3mmの直径を有するガラスビーズ及びポリプロピレン焼結プレート)により保持されたフロックを3L/分の流量の洗浄緩衝液で両側から洗浄した。最後に0.5バールの超過圧力(加圧空気)を適用することによりフロックを排出した。得られた清澄化された溶解産物を状態調節工程(濾過を含む)及びその後のクロマトグラフィー工程(HIC、AEC及びSEC)により更に(段階的に)プロセシングした。全てのサンプルをHPLCにより分析した(濃度、等質性、およその純度)。図8は基準溶解産物の分析HPLCクロマトグラムを示し、図9は連続システム(システムII清澄化)によりこの実験で得られた溶解産物の相当するクロマトグラムを示し、また図10はSECプールの分析HPLCクロマトグラムを示す。基準溶解産物を実施例4に記載されたように調製した。 表5:適合された清澄化反応器によるスケールアップされたシステムにより得られた基準と較べて改良された浮遊及びその後の精製工程による連続の溶解/中和/清澄化(システムII)の生成物(pDNA)特異性結果] 図8 図9 [0055] ] [0056] *全ての先の工程を含む全収率(基準と較べて) 生成物特異性結果は本発明の方法がスケールアップ可能であることを確かめた。溶解後の全ての工程が予想されたように作用し、本発明の新規方法(炭酸塩からのCO2放出により改良された浮遊)により得られた溶解産物が標準操作(WO 2004/085643に記載されたような)により得られた溶解産物と同じ方法で更にプロセシングし得ることを確かめた。図11はスケールアップされたシステムにおける改良された浮遊方法の利点−緊密な浮遊フロック層が得られることを示す。図12は清澄化反応器の上部におけるCIPボールによる洗浄プロセスを示す。また、この実験を6倍より多いバイオマスで繰り返した。] [0057] 完全連続清澄化方式(システムI)における本発明の方法の適用のための実験規模のシステムのセットアップ及びその利用 完全連続的(前)清澄化のための新規セットアップ(図13及び14を参照のこと)により延長されたWO 2004/085643に記載された実験/パイロット規模のシステムの溶解及び中和原理を使用してこの実験を行なった。図13に示された原理設計に基づいて、連続的(前)清澄化のための下記の開発装置(図14を参照のこと)を構築した: 9.4cmの直径及び19.4cmの高さの平らな下部を有するガラスシリンダーにそのシリンダーの中間に横の入口そしてそのシリンダーの下部に反対の横の出口を装備した。入口及び出口ポートを8mmの内径の管に連結した。シリンダーの上部をテーパー付き延長としてのホッパーと漏出防止連結した。このホッパーは約65mmの長さ以内に22mmの直径までテーパーがあった(シリンダーの上部と同様の直径から)。ホッパーのテーパー付きの上端を連続的(前)清澄化のための開発装置の上部出口に相当する同様の直径の管と連結した。完成清澄化装置の容積は約1450mLであった。清澄化が同様の容積(1450mL)の清澄化装置によるシステムIIセットアップを利用する半連続方式で行なわれる場合、この容積は湿潤バイオマス約100gのアルカリ溶解/中和から得られたフロックを集めるのに充分であろう。] [0058] 0.05M NaHCO3 (pH8)を含む再懸濁緩衝液中に再懸濁されたバイオマス500gを用いて実験を行なった。流量を全ての3種の溶液/懸濁液(再懸濁されたバイオマス、溶解溶液、中和溶液)について30mL/分に調節した。そのプロセスの開始時に、(前)清澄化された溶解産物を集めるのに使用された清澄化装置の下部出口を閉じ、清澄化装置に入口まで洗浄緩衝液を充填した。 先の実験で観察されたように、そのプロセスが開始され、小気泡が沈殿フロック(これらは同時に生成される)に付着した時に、CO2放出が溶解された細胞溶液と中和溶液の接触後に直ちに開始した。混合距離(コイルにされた管)を通過した後に、溶解産物と沈殿のフロックの混合物が新規清澄化装置に入った。それにより、清澄化装置が完全に充填された。フロックに付着された気泡のために、沈殿が上向きに誘導され、最小のフロックを含む下の一層透明な溶解産物相から分離された。フロックが上部出口に達した時、下部出口を開けて(前)清澄化された溶解産物を回収した。下部出口がほんの部分的に開けられたので、下部出口を介して出て行く溶解産物の流量は入ってくる混合物の流量よりも低かった。こうして、清澄化装置の上部で分離され、最小のフロック間溶解産物を含み、更にその装置のテーパー付き上部により減少された、フロックを上部出口に押しやり、続いて配置された篩中の管により集めた。残留溶解産物を篩の下の容器中に集めた。下部出口の開放の程度を、その装置中の界面溶解産物/フロックをその装置のほぼ中間の高さに保つような方法で手動で調節した。集められた(前)清澄化溶解産物を微細な清澄化のためにWO 2004/085643に記載された保持材料を含む清澄化装置に供給した。WO 2004/085643の清澄化装置に代えて、また通常のデプスフィルターをクロマトグラフィーによる精製の前に微細清澄化に使用することができた。状態調節工程、例えば、硫酸アンモニウム沈殿がクロマトグラフィーの前に計画される場合、溶解産物を微細清澄化を用いないでプロセシングすることができた。微細清澄化された溶解産物をWO 2004/085643の清澄化装置の出口で集め、フロック排出フラクション及びフロック洗浄フラクションと合わせた。そのプロセスの終了時に、清澄化装置への供給を停止し、その装置中に残された下の溶解産物相を下部出口により回収した(フロックが出口に達するまで)。次いで下部出口を閉じ、清澄化装置中に残されたフロックの嵩が上部出口に押しやられる限り、供給が再度洗浄緩衝液で開始した。] [0059] 記載された実験において、湿潤バイマス500gを制限なしにプロセシングすることができた。これはWO 2004/085643のサイズの匹敵する半連続システム中でプロセシングされた量と較べて5倍以上である。新規(前)清澄化システムがプロセシングされるバイオマスの量に関して制限されないことが示し得たので、そのシステムはこの実験で適用された500gよりも極めて多いバイオマスのプロセシングを可能にする。完全連続(前)清澄化システムによるフロック及び溶解産物の分離/(前)清澄化は非常に満足に作用した。下部出口で集められた溶解産物はほんの最小の残留小フロックを含み、上部出口を介して出て行くフロックは緊密であり、ほんの最小の残留フロック間溶解産物を含んでいた。実験は莫大な量のバイオマスが本発明の方法及び装置によりプロセシング((前)清澄化を含む)し得ることを示した。洗浄フラクションを含む湿潤バイオマス500gのプロセシングの終了時に集められた溶解産物の容積は約16920mLであった。溶解産物をpDNA濃度及び等質性だけでなく、およその純度(円滑さ及び品質についての基準としての最後の二つ)についてHPLCにより分析し、結果を基準溶解産物(これは実施例4に記載されたように調製された)の結果と比較した。集められた溶解産物は全pDNA総合で約1.4gを含んでいた。結果を表6に要約する。 表6:基準と比較された連続溶解/中和及び改良された浮遊により媒介された完全連続清澄化(システムI)の生成物(pDNA)特異性結果] [0060] ] [0061] *基準と較べて 結果は改良された完全連続方法により得られた溶解産物の等質性及び推定純度が基準に匹敵することを示す。ほぼ90%の収率は非常に良好であり、先の実験と較べて一層良好であり、これは経済的に大いに重要である。 図15に、基準溶解産物(CO2放出を用いない)の分析HPLCクロマトグラムが示され、完全連続清澄化方式システムIを利用するこの実験で得られた溶解産物の分析HPLCクロマトグラム(図16)と比較し得る。両方のクロマトグラムは匹敵し、同様のピークパターンを示し、新規(前)清澄化装置を利用する新規方法が溶解産物/pDNA品質に悪影響しないで等質性及び推定純度を維持して適用し得ることを確かめる。図17に、この実験で得られた溶解産物の最後の精製工程としてのSECプールの分析HPLCクロマトグラムが示される。SECは溶解産物を濃縮し、状態調節し(硫酸アンモニウム沈殿及び浮遊)、HIC精製及びAEC精製した後に適用された。SECプール中のpDNA等質性は94.3%であり、この実験で本発明の方法及び装置により得られた溶解産物が成功裏に精製できて高い最終ccc pDNA率に達することを示した。] 実施例 [0062] 完全連続清澄化方式(システムI)における本発明の方法の適用のためのプロトタイプ実験規模のシステム及びその利用 完全連続(前)清澄化のための新規セットアップとともにWO 2004/085643に記載されたような実験/パイロット規模のシステムの溶解及び中和原理を使用してこの実験を行なった。このプロトタイプ(図18を参照のこと)は連続プロセスのための全ての必要な部分を含んでいた。連続(前)清澄化プロセスについて、図13に示されたデザインによるプロトタイプを使用した。実施例7に記載されたような開発装置と較べて、このプロトタイプの新規ガラスシリンダーは下部及び上部にテーパーがあった。更に、入口が下部と上部出口の間の中間に横に配置され、シリンダーの中間で半径方向に終端した。その入口及び出口を8mmの内径の管に連結した。 再懸濁溶液中の0.05〜0.1Mの炭酸塩を使用して、実験を1000gまでのバイオマスを用いて実施例7に記載されたのと同様の方法で行なった。フロックが下の一層透明な溶解産物相から分離して非常に良く浮遊し、装置の上部に緊密な層を構築し、清澄化プロセスの更に一層良好な性能をもたらした。フロックがそれらの間の最終の残留溶解産物とともに上部出口を通って押し出された。テーパー付き下部が(前)清澄化された溶解産物の最大の回収を支持する。溶解産物中のpDNAの等質性(品質)は基準と同様であり、収率は約90%であった。キャパシティに関する制限が観察されなかった。] [0063] 1−入口 2、5、8、12−弁 3−分配管 4−固定具 6、9、13−出口 7−フロック 10−ベント弁 15−ポート 16−中和管]
权利要求:
請求項1 a)宿主細胞を培養して目的とする生物分子を生成し、必要により細胞を回収し、再懸濁する工程、b)細胞をアルカリ溶解により崩壊する工程、c)工程b)で得られた溶解産物を中和し、それにより沈殿を生成する工程、d)透明にされた溶解産物を工程c)で得られた沈殿から分離する工程、e)目的とする生物分子を精製する工程を含み、炭酸塩を工程a-c)の少なくとも一つで添加し、それにより工程c)における中和のためにCO2が放出され、かつ工程d)で沈殿及び溶解産物を清澄化装置中で分離することを特徴とする、宿主細胞により分泌されない目的とする生物分子の生成方法。 請求項2 工程d)で得られた透明にされた溶解産物が下部にある出口を通って清澄化反応器/装置から出る、請求項1記載の方法。 請求項3 炭酸塩を工程a)で添加する、請求項1記載の方法。 請求項4 炭酸塩を工程b)で添加する、請求項1記載の方法。 請求項5 炭酸塩を工程c)で添加する、請求項1記載の方法。 請求項6 得られる溶解産物-フロック混合物(付着されたCO2泡を含む)中の計算された理論炭酸塩濃度が約0.003〜約0.35Mの範囲である、請求項1から5に記載の方法。 請求項7 得られる溶解産物-フロック混合物(付着されたCO2泡を含む)中の計算された理論炭酸塩濃度が約0.005〜約0.05Mの範囲である、請求項6記載の方法。 請求項8 炭酸塩がNaHCO3である、請求項1から7に記載の方法。 請求項9 工程d)を半連続又は連続方式で操作する、請求項1記載の方法。 請求項10 a)下部にある保持層、b)保持層の上の位置にある入口、c)保持層の下の出口、及びd)保持層の表面に達し、かつアルカリ溶解及び中和後に得られた沈殿と溶解産物の混合物を容器に均等かつ穏やかに分配する一つ以上の分配手段を備えている容器を含むことを特徴とする、半連続方式で請求項1記載の方法の工程d)を行なうための装置。 請求項11 更に圧縮ガスの供給のための手段を含む、請求項10記載の装置。 請求項12 a)一つがシリンダーの上部に配置され、別の一つが容器の下部に配置されている、二つの出口、及びb)二つの出口の間の入口を備えている、容器を含むことを特徴とする、連続方式で請求項1記載の方法の工程d)を行なうための装置。 請求項13 容器が追加のドレイン及び/又は洗浄ユニットと連結されている、請求項12記載の装置。 請求項14 工程b)〜e)から選ばれた少なくとも一つの工程を連続方式で操作する、請求項1記載の方法。 請求項15 工程b)〜e)から選ばれた少なくとも二つの工程の組み合わせを、その二つ以上の個々の工程を連結することにより連続方式で操作する、請求項1記載の方法。 請求項16 更に工程a)を工程b)に連結することにより連続方式で操作する、請求項14又は15記載の方法。 請求項17 少なくとも一つの工程を自動化された方式で操作する、請求項14から16に記載の方法。 請求項18 沈殿の洗浄工程を工程d)と工程e)の間に挿入する、請求項1記載の方法。 請求項19 洗浄工程を請求項13記載の追加のドレイン/洗浄ユニット中で行なう、請求項18記載の方法。 請求項20 濃縮及び/又は状態調節工程(濾過も含む)を工程d)と工程e)の間に挿入する、請求項1記載の方法。 請求項21 前記濃縮工程が前記状態調節工程の前に行なわれる、請求項18記載の方法。 請求項22 工程d)の溶解産物が目的とする生物分子を含む、請求項1記載の方法。 請求項23 目的とする前記生物分子がポリヌクレオチドである、請求項1記載の方法。 請求項24 ポリヌクレオチドがDNAである、請求項22記載の方法。 請求項25 DNAがプラスミドDNAである、請求項23記載の方法。 請求項26 工程a)で得られた細胞物質を低温ペレット化する、請求項1記載の方法。
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